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古の播磨を訪ねて~小野市編 その5

古の播磨を訪ねて~小野市編 その5
 慶徳寺のカヤ
 
 7月中旬の晴れた日に小野市河合中町にある亀鶴山慶徳寺のカヤの木を訪ねました。
 
 国道372号を東へ進み、姫路市飾東町を抜け、加西市の法華口の信号のすぐ次の交差点を右折して、県道81号線へ。さらに西脇町の信号を左折し、万願寺川を渡って粟生(あお)西の信号を右折して県道23号線へ。粟生の信号を左折して北へ進み、このシリーズ52回で取り上げた小野市立河合小学校の前も通過して約1.5㎞、慶徳寺に到着です。
 
 慶徳寺は、応永8年(1401)、春庭見芳(しゅんていけんぽう)禅師による開創で、現在地には、天文22年(1553)に移転したと伝えられています。また、宗派は曹洞宗で大本山総持寺派に所属しています。訪問した当日は庫裡の工事中でした。幸いにもご住職がおられ、いろいろとお話を伺うことができました。
 
 目的のカヤの木ですが、本堂の手前の少し右寄りのところでそびえており、慶徳寺が現在の地に移されると同時に植樹され、以来四百六十有余年、寺の歴史と共に歩んできたそうです。太さは目通りで約3.7m、根元で約4.2m、高さは約18m。地上4mあたりで、主幹は幾つにも別れており、樹冠は直径15m前後の広がりがあります。古木のため、一部空洞化している部分もありますが、樹勢はまだまだ盛んで、若い枝が何本も出ていました。筆者が訪問した時は、まだ結実していませんでしたが、この古木は緑色の銀杏に似たような実を沢山結んで、秋にはそれが割れて中から褐色になった実を収穫できるそうです。古木の下には、去年の実と思われるものが数個落ちていましたが、ウバメガシのどんぐりによく似ていました。平成512月には小野市の天然記念物に指定されています。
 
 このほか、この慶徳寺には応永25年(1418)の銘が刻されている石造五輪塔があり、こちらも平成512月に小野市の重要文化財に指定されています。
 
 当日は、本堂で、隣接する亀鶴(きかく)保育所の園児を招いての座禅教室が開かれていました。ご住職が、園児の姿勢を直している様子は、どこかほのぼのとしたものを感じましたが、筆者も姿勢を直されているような気持になり、いつしか背筋をピッと伸ばしている自分に気が付きました。