古の播磨を訪ねて~福崎町編 その2
奈具佐山(なぐさやま)
播磨国風土記には、「奈具佐山 檜が生えています。地名の由来はわかりません。」とだけ記載してあります。福崎町田口には「七種(なぐさ)の滝」で有名な「七種山」があり、この山が「奈具佐山」に比定されています。
今回は1月5日のまだお屠蘇気分も抜けない日曜日に福崎町を訪ねました。風土記には、上記のように簡単に記述してあります。それは別として、先ずこの「ナグサ」という古代名が今に残っている場所の確認です。播但自動車道の福崎北ランプで下りて、福崎小学校の南に出ました。小学校の西には、七種川が流れており、そこに掛かる橋は「七種橋」と呼ばれています。この二つの発見で先ず嬉しくなりました。この橋の東詰を右折して播但線に突き当たる少し手前の所では、幸いにもこの「七種」を使ったハイツも発見しました。その後、福崎駅の南から県道406号線を走って高岡小学校の横を通り、旧金剛城寺(作門寺)の山門も通過し、狭く険しく急峻な山道を七種川沿いにゆっくり車を走らせて、「七種神社」の鳥居前で車を降りました。ここからは歩きで「七種の滝」を目指しました。鳥居前で一礼して太鼓橋を渡ると、すぐ「虹ケ滝」が見え、その後、かなり険しく、その上、落ち葉が積もっているところを登って行くので、何度も足を取られそうになりましたが、何とか「七種の滝」に辿り着くことができました。
すぐそばの「七種神社」の境内から見る瀑布は、晴天続きで水量が少ないため、落差72mの岸壁を落下する豪快な迫力には、やや欠けるものでした。しかし、それがかえって、いかにも、神様がおわしますような感じを受け、なんとなくありがたい気持ちになりました。この「七種神社」の側を通り過ぎて、「七種山」の頂上を目指しましたが、山道を歩くというより、登山、いやロッククライミングというような険しい道でしたので、やむなく断念し、頂上を極めることなく下山しました。次回に再度挑戦します。
帰宅途中に、福崎町田口236番地の新西国第30番霊場、播磨西国第12番霊場・札所の高野山真言宗七種山「金剛城寺」に立ち寄りました。立派な仁王門・本堂・護摩堂その他、大伽藍整然とした浄刹でした。このような田舎(失礼します)でのこんな立派な名刹の発見で、またまた心洗われて、帰路に着きました。
(神前の郡 高岡の里)
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